乳がん検査

視触診検査

皮膚のくぼみや引きつれ、しこりの有無、色調の変化、乳頭分泌の有無などを調べます。視触診だけで診断がつくわけではありませんが、病変の状態を把握するために重要な検査になります。分泌物を採取し細胞診検査へ提出することもあります。

マンモグラフィ検査

乳房を上下・左右方向にはさんで撮影するレントゲン検査です。乳房腫瘍(しこり)を見つけるだけでなく、超音波検査では見えづらい微細な石灰化病変を見つけるのにも有用です。ただし、乳腺が発達している若い人やとても痩せていて乳房のボリュームの小さい方などでは、腫瘍を見つけにくいことがあります。検査時には圧迫による痛みがある程度は伴いますが、より良い写真のためには少しだけ我慢していただく必要があります。

乳房超音波検査

超音波検査(エコー)はゼリーを塗ったプローブと呼ばれる機械を乳房に接触させ、モニターに乳房内の様子を詳細に映し出す検査です。痛みや被ばくの心配がなく、妊婦さんや授乳中のかたでも安心して受けられる検査です。マンモグラフィ検査で見えなかったような小さな病変や乳腺内の変化が見られることもあります。

細胞診検査

乳房内の腫瘍性病変に対しエコーの画像を見ながら細い針を刺入し、陰圧をかけて細胞を吸引採取してくる検査です。取れた細胞を顕微鏡で確認し、良性・悪性の判断をします。しかし、病変の質によっては細胞を十分に採取できないこともあり、その場合は必要により組織診検査に進むことがあります。

組織診検査(乳房針生検)

乳房内の腫瘍性病変に対し、局所麻酔をした上で細胞診よりも太めの針を刺入し、腫瘍の一部を採取してくる検査です。細胞診よりも採取できる検体の量が多いので、良性・悪性の判断だけでなく、具体的な診断やその病変の性質などを知ることができます。

乳がん検診を受けましょう

乳がんは女性が罹患するがんの1位で、日本人女性の15人に1人が生涯の中で罹患すると言われています。
ライフスタイルの欧米化で年々増え続ける傾向を示し、発症する年齢が40歳台で最も多いのが特徴です。40歳台の女性の損失は社会的にも家庭的にも重大です。乳がんは早期発見すれば、命を落とすことの少ないがんです。

乳がんの早期発見には月に1回の自己触診と、年に1回は画像診断を用いた乳癌検診を受けましょう。

自己触診は生理が終わって乳腺が柔らかくなった時期に、お風呂で石鹸を手のひらにつけて行うと効果的です。閉経後の女性は月初めなど日にちを決めて行いましょう。

  • ※40歳未満の方は、超音波検査がおすすめです。
  • ※40歳以上の方はマンモグラフィ + 超音波検査がおすすめです。

マンモグラフィと超音波検査

画像診断を用いる乳がん検診には、マンモグラフィと超音波検査があります。
どちらが良いのとか、どちらをすればいいのといったご質問をよく受けます。
マンモグラフィ超音波検査にはそれぞれ特徴があります。

マンモグラフィ検査と超音波検査による画像

マンモグラフィ検査(左)と超音波検査(右)で発見された12mm径の乳がん

[マンモグラフィ] マンモグラフィは、ごく初期の乳がんの小さな石灰化を描出

マンモグラフィは、乳房専用のX線撮影のことです。マンモグラフィの最大の特徴は、しこりとして触れないごく早期の乳がんのサインである石灰化を写し出すことができることです。

左右それぞれの乳房につき1~2方向の撮影を行ないます。撮影は更衣から撮影終了のフィルム確認まで含めて約15分から20分程度です。マンモグラフィは乳腺の全体像を写し出すので、左右を比較して診ることができます。また、過去のフィルムと比較することによって、組織の微妙な変化をとらえることができます。

近年、ライフスタイルの欧米化などにより乳房が大きい女性が増えてきました。乳房が大きいために超音波が深部まで届かない方や、閉経後で乳房の多くが脂肪に置き換わっている方などは、マンモグラフィが適しています。

マンモグラフィはX線検査なので、放射線被曝がありますが、乳房だけの部分的なもので、骨髄などへの影響はなく、白血病などの発生の危険はありません。1回の画像の撮影で受ける放射線の量は、東京からニューヨークへ飛行機で行くときに浴びる自然放射線(宇宙線)とほぼ同じ量です。マンモグラフィ撮影による危険性はほとんどないと思っていいでしょう。それより、撮影によって早期乳がんが発見できることのメリットの方がはるかに大きいのです。

マンモグラフィ検査と超音波検査による画像

マンモグラフィ(左)の小さな石灰化で発見されたごく初期の乳がん(白い粒々が石灰化)、超音波検査(右)では描出されなかった

[超音波検査] 超音波は若年の方や妊娠中の女性に

超音波検査(エコー)は、人間の耳には聞こえない音波(超音波)を発生させ、組織から反射してくる音波の様子を画像にしているものです。超音波を出す器具を直接乳房にあてて、リアルタイムに描出された画像を見ながら診断を行ないます。超音波は数ミリほどの手に触れない小さなしこりを見つけ出すことができます。マンモグラフィと違い、放射線被曝はありません。妊娠中の方や若年の方、またマンモグラフィ撮影時の乳房の圧迫の痛みに耐えられない方や乳腺組織が多く良好な撮影ができない方などには超音波検査が適しています。

マンモグラフィ検査と超音波検査による画像

若年者(40歳前後)では乳腺組織が多く、マンモグラフィでは腫瘍が見えない(左)が、超音波検査(右)では6mm径の乳がんが描出された

乳がん検診は・・・

40歳未満の方は超音波検査を、50歳以上の方はマンモグラフィ検査を、40歳台の方は両方の検査を受けることをお勧めします。

マンモグラフィは、手には触れないような非常に早期の乳がんのサインである石灰化をピックアップできるため、まったく症状のない方たちを対象とする検診の方法として大変優れています。しかし、若年の方、授乳中の方、手術後の方、非常に乳腺の濃度が濃く不均一である方などの場合は、マンモグラフィだけでは、異常を写し出すことが難しい場合があります。質の良い撮影を診断が行なわれても、約10~15%の乳がんがマンモグラフィのみでは見落としとされる恐れがあります。若年の方など乳腺組織が多いケースでは超音波検査をお勧めいたします。

※しこりなどの症状がある方は、必ずお知らせください。

異常に気付いたら受診

自分で触れて気になるしこりがある場合、あるいは気になる症状がある場合は、検診を待たずに診療を受けてください。また、検診で異常なしの結果が出ても、気になる症状などがある場合は必ず受診してください。一般的に乳がんの進行はそれほど早くはありませんが、中にはとても早く進行する種類のものもあります。2-3ヶ月でしこりのサイズが倍増していくものもあります。このような種類の乳がんは転移もしやすい傾向にあります。

おかしいなと思ったら、直ちに受診してください。

乳がんQ&A

マンモグラフィーってどんな検査なの?
マンモグラフィーとは、乳房専用のX線検査、いわゆるレントゲン検査で、板状のもので乳房をはさみ圧迫して撮影します。撮影は、左右それぞれ、上下と斜め方向から、計4回行います(検診では斜め方向のみの場合があります)。乳房を圧迫するのは、平たくして撮影することで病変をより鮮明に写し出すとともに、厚みを薄くすることでX線の被ばく量を減らすためです。マンモグラフィーは、乳がんの初期症状である微細な石灰化などを検出できるため、早期発見に有効です。また、乳がんの検診では最も信頼性の高い検査方法だと言われています。
マンモグラフィーと超音波検査(エコー)の違いは?

マンモグラフィーとは乳房専用のレントゲン検査で、圧迫板で乳房をはさみ、薄く引き延ばして撮影します。超音波検査とは超音波を出す「プローブ」と呼ばれるセンサーをあて、はねかえってくる音波を画像化して、乳房内部の様子を映し出します。それぞれに長所と短所があります。

  マンモグラフィー 超音波検査(エコー)
画像化できる範囲 ○ 全体の状態を把握できる △ 得られるのは部分的な情報
微細石灰化の検出 ○ 0.1~0.5mmの微細石灰化の検出が可能 △ 微細石灰化の検出は困難
しこりの検出 △ 乳腺が発達している場合、しこりの検出が難しいことがある ○ 乳腺と乳がんのしこりの判別が容易

なお、最も精度の高い検査方法とされているのは、マンモグラフィーです。日本医学放射線学会やマンモグラフィ検診精度管理中央委員会などにより装置の合格基準が設定され、画像読影の判定基準も設けられています。また、検査技師のトレーニングや医師の読影講習会も全国規模で実施されるなど、精度管理のシステムが整っています。一般的な検診ではよく用いられる超音波検査については、2007年から乳房検診での有効性を確認する試験(J-START)が開始されました。また、JABTS(NPO法人日本乳腺甲状腺超音波診断会議)により、検診を行う技師や医師を対象とする講習会が実施されています。今のところは検査技師や読影を行う医師の技量が問われる検査であると言われていますが、今後、精度管理が進んでいくことが期待されます。

胸が小さくてもマンモグラフィーは撮れるの?
胸の大きさが撮影に影響することは全くありません。男性の胸でも撮影することができるくらいですから心配いりません。
X線の被ばく量は大丈夫?
マンモグラフィー1枚の撮影で浴びるX線の量は、1年間に知らず知らずに浴びている自然放射線量の1/6~1/8。1回の検査で受ける放射線量は、東京~ニューヨーク間の飛行機旅行で浴びる宇宙線とほぼ同じといわれています。あちこちの病院を巡って「はしご検査」を受けるようなことをしなければ全く問題ありません。
マンモグラフィーは痛いって聞いたのですが…
マンモグラフィーは板状のもので乳房をはさみ圧迫して撮影するため、痛みを感じることがあります。圧迫される時間は数秒から10数秒程です。痛みには個人差がありますが、乳房の大きさにかかわらず、乳腺の発達した人の方が痛みを強く感じるようです。若い世代で乳腺が多い場合には、マンモグラフィーより超音波検査が有効な場合もありますので、医師に相談してください。また、生理の前の1週間くらいは乳房が張って痛みに敏感になることがあるので、生理が始まって1週間から10日くらいの時期に検査を受ける方がよいと言われています。
乳がん検査について
検査の流れ 検査費用 自己検診 区民検診
診療時間
[受付]9:30~13:30 16:00~18:30 [休診] 木曜・土曜午後・日曜・祝日